クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
夫婦の手紙
デーセオが北の砦へ行ったときに、隣国の動きが気になると口にしていたが、そのような情報が他の竜騎士からも寄せられるようになったのは、それから三日後のことだった。ティメルがレーニスの手紙をデーセオの元へと届けたとき。
それを乱暴に奪い去るように受け取ったデーセオは封を開けるのももどかしそうにしていた。
だったら、さっさと屋敷に戻れよと思うティメルなのだが、拗ねらせた初恋のデーセオには行動に移すことのできない何かがあるのだろう。
手紙を読み進めていくデーセオの顔が、次第に緩み始めていることにデーセオ本人は気付いていない。ティメルは笑いが零れそうになるのを必死にこらえながら、主を見つめていた。便箋は恐らく二枚。だけど、それを何度も入れ替えて読んでいるということは、何度も読み返しているということで。
「だったら、屋敷に戻ってください」
と言いたいティメルであるが、やはりそれは口にできない。
それを乱暴に奪い去るように受け取ったデーセオは封を開けるのももどかしそうにしていた。
だったら、さっさと屋敷に戻れよと思うティメルなのだが、拗ねらせた初恋のデーセオには行動に移すことのできない何かがあるのだろう。
手紙を読み進めていくデーセオの顔が、次第に緩み始めていることにデーセオ本人は気付いていない。ティメルは笑いが零れそうになるのを必死にこらえながら、主を見つめていた。便箋は恐らく二枚。だけど、それを何度も入れ替えて読んでいるということは、何度も読み返しているということで。
「だったら、屋敷に戻ってください」
と言いたいティメルであるが、やはりそれは口にできない。