クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 隣国に探りに入るのは、ティメルがまとめている魔術師小隊だ。魔術を用いて、難なく隣国に入り込み、そしてそこに溶け込む。そこの国民になりすまし、さりげなく情報収集という流れ。

「こちらは、北の砦の守りを固める」

「という言い訳をして、まだ屋敷には戻らないつもりですか?」

「言い訳ではない。事実だ」

 と声を荒げるところは怪しいのだが。

「はいはい。わかりました。そういうことにしておいてあげます。手紙、書きあがりましたらレーニス様にお届けしますから。さっさと書いてしまってください。私が向こうに戻るまでには、書き上げてくださいよ」

「わかった。だが、ティメル」

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