クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「はい、なんでしょう?」

「飛竜のことを書いても、五行にしかならなかったぞ? 他は何を書けばいいのだ?」

 ティメルは子供の作文指導をしている教官のような気持ちになってきた。なぜここまでラブレターのお膳立てをしてやる必要があるのだ。

「でしたら、飛竜の生態についてお書きになったらいかがですか?」

「飛竜の生態?」

「そうです。飛竜と竜騎士は、番のようなもの。一人一体。竜騎士が亡くなれば、飛竜も亡くなると。そういうことを書いたらいかがですか?」

「なるほど」
 頷いたデーセオのペンの走りがよくなったことにティメルは気付いた。本当に書きやがったと思っているティメルだが、こんな主を見るのも悪くはない。

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