クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「でしたらなおさらのことです。レーニス様にお会いください」

「彼女とはもう、会わない方がいいだろう。俺のことを忘れてくれた方がいい。そして、新しい誰かと新しい人生をやり直すべきだ」

「その、彼女の新しい人生の隣に立つ男は自分でありたいとは思わないのですか。レーニス様がどのような想いで、このような手紙を書いているのか、わかっているのですか」

 ティメルのその言葉を、唇を結んで聞いているデーセオが何を思っているのか。

「彼女に、俺のような男は似合わん。彼女は聖女だ」
 例え力を失ったとしてもデーセオにとっては聖女のような存在だ。いるだけで心を温めてくれる。

「でしたら。なぜ彼女を抱いたのですか。初めからそう思っているのなら、白い結婚でもよかったはずでは?」

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