クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
悔しさを滲ませて舌打ちをしてから、デーセオは目の前の書類の「急ぎ」の束を崩すことにした。このように分類されているだけで、非常にはかどる。はかどっているから、気付かなかった。いつの間にかティメルがこの執務室に入ってきていたことに。
「デーセオ様」
声をかけられて気付いた。顔をあげる。
「約束を守っていただけたようで、安心しました」
「お前に辞められたら困るからな。それよりも、助かった。俺が不在の間、その、悪かったな」
珍しく、デーセオが謝罪の言葉を口にした。
「そう思っているのなら、こちらに戻ってきてください。飛竜舎とここ、馬で通える距離ではないですか。そもそも、今までそうやっていたのですから」
「あ、ああ。だが、彼女には会えない。会う自信が無い」
「デーセオ様」
声をかけられて気付いた。顔をあげる。
「約束を守っていただけたようで、安心しました」
「お前に辞められたら困るからな。それよりも、助かった。俺が不在の間、その、悪かったな」
珍しく、デーセオが謝罪の言葉を口にした。
「そう思っているのなら、こちらに戻ってきてください。飛竜舎とここ、馬で通える距離ではないですか。そもそも、今までそうやっていたのですから」
「あ、ああ。だが、彼女には会えない。会う自信が無い」