クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 そのティメルの言葉に、微かに怒気と哀れみが含まれていることに気付く。ここでそうだ、と肯定してしまったら、またティメルが竜騎士部隊を辞めるとか言いかねない。

「顔だけ見たら、帰る」

「そうですね。この時間でしたら奥様もお休みになられていますからね。さすがのあなた様も寝込みを襲うようなことはしないでしょうね」

「おい……」

「嫌われたくないから会えないとか言っておきながら、誰よりも彼女に触れたくて欲しているのは誰ですか?」

「おい……」

「レーニス様は、あなた様のその姿を目にして、あなた様を嫌うような方ではありませんよ? それに、いつまでもこのような状態で、どうやって呪いを解くおつもりなのですか?」
 相変わらずティメルの毒舌が止まらない。

< 141 / 318 >

この作品をシェア

pagetop