クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 それから、一瞬、眩しい閃光が走る。それはデーセオから見えるものではなかった。だからデーセオ自身は気付かない。それよりも気になっていることが一つ。

「レーニス。すまないが、少し離れてもらっても良いだろうか? その、俺も男だから、それ以上密着されると、少し困ったことになる」

 その言葉にもキョトンというような表情を見せるレーニス。それから名残惜しそうに、デーセオに伸ばしていた手を引いた。
 二人は着替えると、仲良く食堂へと向かう。

「おはようございます、旦那様、奥様」
 執事のジョナサンが嬉しそうに挨拶をする。
「食事の準備は整っております」

 ジョナサンの言葉に頷くデーセオだが、レーニスはこの夫と食事を共にするのは初めてではないかと思った。もちろん結婚式のパーティでは共に雛壇に座っていたがそれ以外では、いや、この食堂では共に食事をしたことが無い。

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