クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 コホンと、向かい側から咳払いが聞こえた。
「デーセオ様。それではただのえろ親父です。すぐさまレーニス様から離れてください」

「自分の妻を抱き締めて何が悪い」

「時と場合をお考えください。レーニス様が嫌がっております」

「な、なんだと? 嫌がっている、だと?」
 デーセオは指摘され、腕の中のレーニスを見下ろすが彼女はぷるぷると震える子犬のように首を振っていた。

「俺には嫌がっているようには見えないが?」

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