クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 ティメルから漏れた言葉はそれ。それしか言いようがない。
 デーセオの顔を覆っていた刺青のような模様が、先ほどよりも薄くなり、複雑な模様を形成していたうちの一つが無くなっているように見える。

「レーニス様。レーニス様の力を確認してもよろしいでしょうか。その、解呪によってどれだけ力を使ったのかを確認したいのですが」
 ティメルが口にするとデーセオがジロリと優秀な部下を睨む。その顔は、またかと言っているのだが、レーニスがそっと手を差し出したため我慢しているようだ。

「では、失礼します。……。先ほどより弱く感じますが、それでも力が無くなったという感じはしません」

 その言葉にレーニスはほっと胸を撫でおろす。

「なぜだ?」
 デーセオが尋ねた。
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