クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「フルヘルト領は広いので、この街の他にも集落が点在しているのです。そこを視察されるのはいかがでしょう。領主であるデーセオ様とともに、レーニス様も共にいけば、民たちも喜ばれると思います。それに、どうしても外れの集落は貧しく。こちらから援助もしているのですが、それが間に合っていないというのも恥ずかしい話です。本来であれば、デーセオ様も定期的に足を運べればいいのですが、竜騎士部隊の方の任務もありますから。ですから、レーニス様のお時間があるのであれば、是非とも様々な集落に足を運んでいただきたいものです」
 ティメルがそのような提案をするということは、その各々の集落では聖なる力を必要としているのではないか、とレーニスは思った。

「ティメル。私で役に立つことがあるのであれば、喜んでそれを引き受けます」

「レーニスが行くなら、俺も行くぞ」

 ぶほっとティメルは吹き出しそうになった。お茶を飲んでいなくてよかったと思う。

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