クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「あ、ああ、そうだ」
 呆けながら返事をするデーセオだが、やはりあの飛竜がレーニスに懐いているのがどこか信じられないという気持ちが勝っていた。

「レーニス、その、飛竜は怖くないのか?」

「え、えぇ。怖いという気持ちはありません、だってこんなにも可愛らしいのですから。それに、ね」
 とレーニスが飛竜に声をかけると、飛竜もキューと鳴く。まるで二人で会話をしているかのように。

「レーニス。もしかして、飛竜と会話をしているのか?」

「会話? ええと、会話かどうかはわかりませんが。飛竜さんが先ほどから旦那様のことをいろいろと教えてくださっています」
 うふふ、とこのようにいたずらっ子のように笑うレーニスを、デーセオは今まで見たことが無い、ということは。

「おい。お前、変なことをレーニスに言うなよ」

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