クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「悪いが、引き続き情報収集を頼む」

「承知しました。これからデーセオ様のデートに水を差すようなことを申し上げてしまい、大変申し訳ございませんでした」

「な。で、デートでは、ないぞ。し、視察、だろうが」
 なぜこのティメルという優秀な部下は、すぐに人の心を読んでくるのか。

「そうでした、視察でしたね。失礼しました」

 こいつはわかっていてそのようなことを口にしている。ということにさすがのデーセオも気付き、何かしら反論をしたいと思ったのだが、先ほどからレーニスを待たせていることに気付いてやめた。

「では、お気を付けて」
 と言うティメルの声が少し震えていることにデーセオは気付いた。この男は、と心の中でだけで毒づいておくことにする。

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