クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
今、この神殿には聖女候補が三十名、そして聖女様の四名で集団生活を行っていた。また彼女たちの身の回りの世話を助けてくれる侍女と、そして聖女様と共に神事を執り行う神官たち。そのため神殿と呼ばれているが、その辺の修道院と似たような造りになっている。他の修道院と違うのは、ここで暮らしているのが聖女様と聖女候補たち、ということだろう。
その聖女候補たちの中に、冒頭に出てきたレーニスという女性がいた。彼女は、下位貴族の娘であり、聖女様から「秘めたる聖なる力を感じる」と見初められたことで聖女候補となった。
ところが、彼女が聖女候補になってこの神殿にやって来て数か月経った頃、彼女の両親は事故で亡くなってしまった。不慮の事故。
だから、彼女の家はもうない。
「レーニス。あなたにはもう、聖なる力はありません。聖女候補として、不適格です」
聖女様のその言葉が礼拝室に響く。
レーニスは聖女様になれなくてもいい、とは思っていた。だけど、聖なる力を失ってもいいとは思っていなかった。
その聖女候補たちの中に、冒頭に出てきたレーニスという女性がいた。彼女は、下位貴族の娘であり、聖女様から「秘めたる聖なる力を感じる」と見初められたことで聖女候補となった。
ところが、彼女が聖女候補になってこの神殿にやって来て数か月経った頃、彼女の両親は事故で亡くなってしまった。不慮の事故。
だから、彼女の家はもうない。
「レーニス。あなたにはもう、聖なる力はありません。聖女候補として、不適格です」
聖女様のその言葉が礼拝室に響く。
レーニスは聖女様になれなくてもいい、とは思っていた。だけど、聖なる力を失ってもいいとは思っていなかった。