クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 不器用で優しくて、そして民と飛竜を思っている男だった。そしてどことなくずれているのか、使用人や部下たちからもいろんな意味で慕われている。

「レーニス」
 飛竜が待っている場所に着くと、また子供たちに囲まれた。

「領主さま、またきてください」
 と、小さな女の子とがデーセオに花束を渡す。花束といっても立派なものではない。恐らく、その辺の草花を摘んできたものだ。
「レーニスさまも」
 レーニスには花冠だった。

「まあ、嬉しい。お姫様になったみたい」
 女の子から花冠を頭にかぶせてもらった彼女は、子供のようにはしゃいでいる。

「レーニスさま。ぼくね、お兄ちゃんになるんだよ」
 と男の子が言う。
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