クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 ドキリと、レーニスの心臓が高鳴った。見られてしまった、この顔を。

「どうかしたのか? やはり、寒いのか? もしかして熱が出てきたのか? 顔が赤いぞ」

 空の上であるというのに、デーセオがあたふたし始める。
 デーセオのその言葉にかぁっと顔が熱くなるレーニスは、右手で顔を隠してしまった。

「ち、違うのです。その、恥ずかしくて」

「恥ずかしい? 何か、恥ずかしいことがあったのか?」

「いえ、旦那様が気付いていらっしゃらないのであれば、何でもありません」

 はて、気付いていないとは何のことか。と、デーセオは思った。彼女が恥ずかしい思いをするような状況があっただろうか、と。

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