クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「ああ、すまない。その、お前は読書の続きをしてかまわないぞ」
「そうですか? 何か、お飲みになりますか?」
「いや、いい。俺のことは気にするな」
「ですが、その。やはり隣に旦那様がいらっしゃるのであれば、こちらの本よりも旦那様の方が気になるのですが。それに、実のところを申し上げます、この本、あまり面白くないのです」
と言うレーニスは、いたずらをした子供のようにペロリと舌を出して笑った。
「ですが、やはり結末というものは気になっておりまして、それでなんとか読んでいたのです。旦那様はこれをお読みになったことはありますか?」
「いや、無いな。書庫の本はずいぶん昔からあるみたいだからな。仕事で必要な本は読むが、そういった本はあまり読まない。恐らくそれは、俺の母親が読んでいた本ではないか」
「そうですか? 何か、お飲みになりますか?」
「いや、いい。俺のことは気にするな」
「ですが、その。やはり隣に旦那様がいらっしゃるのであれば、こちらの本よりも旦那様の方が気になるのですが。それに、実のところを申し上げます、この本、あまり面白くないのです」
と言うレーニスは、いたずらをした子供のようにペロリと舌を出して笑った。
「ですが、やはり結末というものは気になっておりまして、それでなんとか読んでいたのです。旦那様はこれをお読みになったことはありますか?」
「いや、無いな。書庫の本はずいぶん昔からあるみたいだからな。仕事で必要な本は読むが、そういった本はあまり読まない。恐らくそれは、俺の母親が読んでいた本ではないか」