クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 それはあまりにもデーセオがその新緑の目で彼を睨み続けていたからかもしれない。

「はい、そのようですね。間違いありません」

「今日がその日だ。レーニス殿をお願いしたい」

「ですから、その、レーニスという聖女候補はここにはもう、おりません」

「何?」
 この受付は「もう」と言った。つまり今まではいたけれど、いなくなってしまった、ということだろう。

「デーセオ様の解呪は、聖女シニス様が御担当されます」

「何?」
 もう一度デーセオは同じことを言ってしまった。そもそも、聖女様に解呪をお願いしようとした。だが、それを断られたため、聖女候補であるレーニスが引き受けてくれたのだ。
< 24 / 318 >

この作品をシェア

pagetop