クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
デーセオは笑いながら、彼女の目に残っていた涙を拭う。
「ずるいです、旦那様は」
「俺はずるくない。泣いているお前が悪い」
「でしたら、私を泣かせた旦那様が悪いんです」
「デーセオ」
「はい?」
「その、二人きりの時は、旦那様ではなく名前で呼んでくれないか? そのデーセオと」
突然、そのようなことを言い出した夫が可愛らしいと思ってしまったレーニスは、胸がきゅきゅっと疼いた。身体は大きくて目は鋭くて、見た目上には可愛らしい要素が一つもないにも関わらず。
「ずるいです、旦那様は」
「俺はずるくない。泣いているお前が悪い」
「でしたら、私を泣かせた旦那様が悪いんです」
「デーセオ」
「はい?」
「その、二人きりの時は、旦那様ではなく名前で呼んでくれないか? そのデーセオと」
突然、そのようなことを言い出した夫が可愛らしいと思ってしまったレーニスは、胸がきゅきゅっと疼いた。身体は大きくて目は鋭くて、見た目上には可愛らしい要素が一つもないにも関わらず。