クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「ということは、誰かが情報を統制させているのでしょうね」

 なるほどな、と国王は考え込むようにして顎をさすり続けている。
「ところで。その聖女候補はどうした? 今まで一人で民たちの祈りを引き受けていたのだろう? 彼女がいるのであれば、そのような状況にはならないのではないか?」

「その聖女候補が神殿からいなくなったため、そのような状況になっているというわけです」

 聖女候補が新しい聖女様になられた、という話は聞いていない。それにも関わらず、聖女候補が神殿からいなくなった、という言葉が示すところは。
「失ったのか? 力を」

「そのようです。聖女様が彼女から聖なる力が失われたということを口にしたことにより、彼女は聖女候補を解かれています」

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