クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 ふむぅ、と国王は腕を組むとソファに深く座り直す。
「それで、その聖女候補は今、どうしているのかわかるのか?」

「はい」
 と返事をするティメルが笑顔であるところが恐ろしい、とデーセオは思っている。そして、いつそのことが知られてしまうのではないか、という不安が腹の底にあった。

「何をしているのだ?」
 国王の目が妖しく光った。この国王も何を考えているかがわからない。

「私の方から申し上げてもよりいのですか?」
 ティメルは隣に座っている主を見た。主は、口の端をヒクヒクと震わせている。

「なんだ。デーセオに関わることなのか?」
 尋ねられてもティメルの主は答える気がないようだ。なので、仕方なくティメルが言葉を続けることにした。

< 257 / 318 >

この作品をシェア

pagetop