クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
『私が神殿を追い出されたときに、侍女頭のマーサが、私のように力を失って神殿を去った元聖女候補たちが幸せに生きているという話をしてくださって、背中を押されたのです。本当にマーサの言う通りになったと、今ではそう思っています』
つまり、レーニスのように力を失って神殿を去った聖女候補たちが他にもいるということで。幸せに、ということは力が戻ったことを神殿に知られることなく、ひっそりと生きている、という意味かもしれない。幸せな場所で、幸せに暮らしなさい、と。
そんな幸せに暮らしている彼女たちを巻き込むことにも気が引けるが、力を失うくらい力を使っていた聖女候補たちであれば、恐らくレーニス同様、協力を頼んだら引き受けてくれるだろう、とも思う。
瞬きせずにじっと一点を見据えているように見えたティメルを不安に思ったのか、デーセオが怪訝そうに眉間に皺を寄せた。
「おい、ティメル。どうか、したのか?」
「いえ。その心当たりについて、を考えていました。レーニス様がおっしゃるには、レーニス様のように力を失って神殿を追い出された元聖女候補たちが他にもいたようだ、と。何人くらいでいつ追い出されたのかはわかりませんが、もしかしたら、その方たちなら協力をしてくださるのではないか、と、そう考えていたわけです」
つまり、レーニスのように力を失って神殿を去った聖女候補たちが他にもいるということで。幸せに、ということは力が戻ったことを神殿に知られることなく、ひっそりと生きている、という意味かもしれない。幸せな場所で、幸せに暮らしなさい、と。
そんな幸せに暮らしている彼女たちを巻き込むことにも気が引けるが、力を失うくらい力を使っていた聖女候補たちであれば、恐らくレーニス同様、協力を頼んだら引き受けてくれるだろう、とも思う。
瞬きせずにじっと一点を見据えているように見えたティメルを不安に思ったのか、デーセオが怪訝そうに眉間に皺を寄せた。
「おい、ティメル。どうか、したのか?」
「いえ。その心当たりについて、を考えていました。レーニス様がおっしゃるには、レーニス様のように力を失って神殿を追い出された元聖女候補たちが他にもいたようだ、と。何人くらいでいつ追い出されたのかはわかりませんが、もしかしたら、その方たちなら協力をしてくださるのではないか、と、そう考えていたわけです」