クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
妻の決意
隣国のサライトの船が動いたという連絡がデーセオの元に入ったのは、それから十日後のことだった。思っていたよりも早いな、というのがデーセオの思い。
「ティメル。サライトにいるお前たちの部下は、今すぐこちらに戻らせろ。下手すると関所を超えられなくなるからな」
「承知いたしました」
「それから、竜騎士部隊は明日、馬で王都に向かわせる」
「馬で、ですか? 飛竜ではなく?」
「ああ。馬で、だ」
竜騎士部隊が馬で王都に向かう、ということ。それは竜騎士たちが王都に向かったことを相手に悟らせないための策。
サライトの騎士達は恐らく港から王都に侵入してくる。それを食い止めるために竜騎士部隊を使おうと考えていた。それ以外の騎士達は、念のため王都の各地に配置し、民たちを逃がしてもらう手筈になっているはず。だが、それも保険だ。何しろサライトの騎士達はクレイデルの港には近づくことができないはず、なのだから。
「ティメル。サライトにいるお前たちの部下は、今すぐこちらに戻らせろ。下手すると関所を超えられなくなるからな」
「承知いたしました」
「それから、竜騎士部隊は明日、馬で王都に向かわせる」
「馬で、ですか? 飛竜ではなく?」
「ああ。馬で、だ」
竜騎士部隊が馬で王都に向かう、ということ。それは竜騎士たちが王都に向かったことを相手に悟らせないための策。
サライトの騎士達は恐らく港から王都に侵入してくる。それを食い止めるために竜騎士部隊を使おうと考えていた。それ以外の騎士達は、念のため王都の各地に配置し、民たちを逃がしてもらう手筈になっているはず。だが、それも保険だ。何しろサライトの騎士達はクレイデルの港には近づくことができないはず、なのだから。