クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「お帰りなさいませ」
 屋敷で二人を出迎えてくれたのは、執事のジョナサン。
「旦那様。お疲れのところ申し訳ありませんが、お客様がお見えになっております」

 デーセオが不在にも関わらず、屋敷内に通したということは相手もそれなりの身分の持ち主なのだろうと推測される。そしてどうやらデーセオにはその相手に心当たりがあるらしい。

「わかった。すぐに会う。レーニス、お前も紹介するから、共に来い」

「ですが、あの、着替えは」

「まあ、向こうもわかっていて来ているのだから、気にするな」

「はあ」
 としかレーニスは答えようがない。わかっていて来ているという相手はどのような人物なのか。

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