クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「ただいま戻った」

「おかえり、デーセオ」
「おかえりなさい」

 見るからに夫婦という男女二人が寄り添ってソファに座っていた。

「レーニス、紹介が遅くなったが、俺の両親だ」

「え」
 生きているんですか、という言葉をレーニスは飲み込んだ。

「俺の両親は職業柄か世界各地を旅していてな。それで、お前への紹介が遅れた」

「あ、はい……」

「デーセオ」
 彼の父と思われる男が口を開いた。
「結婚、おめでとう。と言いたいのだが、彼女のその驚きぶりから推測すると、だ。君は私たちのことを彼女に一切伝えていなかっただろう」

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