クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「そうだな。可愛い孫が生まれる頃には、またここにお邪魔させてもらおうかな。じゃ、またな」

 去り行く馬車を見送る夫婦。

「行ってしまったな。嵐のような両親なんだ」

 それでもどことなく夫の顔が寂しそうに見えた。いくつになっても親は親で、子は子なのだろう。

「ですが、旦那様。すぐにお義父(とう)様たちには会えるかと思いますよ」

「どういう意味だ?」
 と考え込むデーセオ。だが、妻が先ほどからお腹に右手を当てていることに気付いた。
「ま、まさか……」
 と顔を綻ばせる夫に、レーニスは優しく微笑むのだった。


【完】
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