クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「伯母様、すいません。思い出せないのですが、どのような方でしたでしょうか」
「あら、まあ。そうよね。神殿には一日に何人もの人が訪れるものね。それにあなたは一日に十人以上に祈りを捧げていたとも聞いていたし」
それは、他の聖女や聖女候補が引き受けてくれないからだ。わざわざ神殿にまで出向いた民たちを「今日は忙しいからできない」と言って追い返すことことに気が引けたから。実際、他の聖女や聖女候補たちはそうやって金にならない民たちを追い返していたようだが。
そんな彼らにレーニスがそっと声をかけて、祈りを捧げていた。例え、お金にならなくても、民たちの心を救うために。
ロイスはパエーズ卿の特徴を口にした。だがレーニスにはそのような人物の記憶がない。
「でも、パエーズ卿はあなたといつもお話していたとおっしゃっていたわ」
その言葉でレーニスの脳内をかすめた人物がいる。三日に一度やってくる、年は五十を過ぎた男。けして紳士と言えないようなその男は、祈りが終わるとレーニスの身体をやたらめったら触れてきた。
もしかして、あの男かと思うと、なぜか胸の中に嫌悪感が込み上げてきた。
「あら、まあ。そうよね。神殿には一日に何人もの人が訪れるものね。それにあなたは一日に十人以上に祈りを捧げていたとも聞いていたし」
それは、他の聖女や聖女候補が引き受けてくれないからだ。わざわざ神殿にまで出向いた民たちを「今日は忙しいからできない」と言って追い返すことことに気が引けたから。実際、他の聖女や聖女候補たちはそうやって金にならない民たちを追い返していたようだが。
そんな彼らにレーニスがそっと声をかけて、祈りを捧げていた。例え、お金にならなくても、民たちの心を救うために。
ロイスはパエーズ卿の特徴を口にした。だがレーニスにはそのような人物の記憶がない。
「でも、パエーズ卿はあなたといつもお話していたとおっしゃっていたわ」
その言葉でレーニスの脳内をかすめた人物がいる。三日に一度やってくる、年は五十を過ぎた男。けして紳士と言えないようなその男は、祈りが終わるとレーニスの身体をやたらめったら触れてきた。
もしかして、あの男かと思うと、なぜか胸の中に嫌悪感が込み上げてきた。