クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「本当にあのレーニスが、そう言ったのか?」
「ええ。パエーズ卿との話を引き受けると。まあ、あそこがダメだったら次は、ロナンテ卿とのお話を出すつもりだったのだけれど。パエーズ卿が金貨千枚に対して、ロナンテ卿は八百枚でしょ? やはり、話を出すなら、価値のあるところから出していかないと」
「まあ。金貨千枚で、あのお荷物が売れたならいいんじゃないか? 聖なる力を失ったとしても、男を楽しませることだけはできそうだからね。あの身体だし」
やはり、レーニスの売り先の話だったか、と思う。一番聞きたかった自分の価値を確認できたため、レーニスはそっとそこから離れた。談話室に戻り、ロイスがすすめてくれた美味しいお菓子を箱ごと手にすると、それを持って屋根裏部屋へと戻った。
金貨千枚の価値というのであれば、金貨千枚の価値分の働きをすればいいだけだ。それを超えても、それ未満でもなく、きっかり金貨千枚分。
しかも相手は五十を過ぎた男。人生もとっくに折り返しに入ったところ。それに引き換え、自分はまだ十九歳。これから人生花盛り。
「ええ。パエーズ卿との話を引き受けると。まあ、あそこがダメだったら次は、ロナンテ卿とのお話を出すつもりだったのだけれど。パエーズ卿が金貨千枚に対して、ロナンテ卿は八百枚でしょ? やはり、話を出すなら、価値のあるところから出していかないと」
「まあ。金貨千枚で、あのお荷物が売れたならいいんじゃないか? 聖なる力を失ったとしても、男を楽しませることだけはできそうだからね。あの身体だし」
やはり、レーニスの売り先の話だったか、と思う。一番聞きたかった自分の価値を確認できたため、レーニスはそっとそこから離れた。談話室に戻り、ロイスがすすめてくれた美味しいお菓子を箱ごと手にすると、それを持って屋根裏部屋へと戻った。
金貨千枚の価値というのであれば、金貨千枚の価値分の働きをすればいいだけだ。それを超えても、それ未満でもなく、きっかり金貨千枚分。
しかも相手は五十を過ぎた男。人生もとっくに折り返しに入ったところ。それに引き換え、自分はまだ十九歳。これから人生花盛り。