クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
☆☆

 さて、無事にフォッセ家から返事をもらうことができたデーセオ。その書簡を見つめてはニヤニヤという気味の悪い笑顔を浮かべていたようだ。

「まったく、酷い話ですよね」
 ティメルがお茶の準備をしながら言う。
「嫁ぎ先を探しているとなっていますが、裏を返せば人身売買ですよ」
 カチャリと音を立てて、デーセオの前にそのカップを置いた。するとデーセオからは、お前も座れ、と促される。ティメルはその言葉に従い、ローテーブルを挟んで、デーセオの向かい側のソファに座った。

「だが、お前の迅速な動きで助かったな。もう少し遅かったら、彼女はパエーズ卿に奪われるところだった」

「ええ、そうですね。まさか、あんなに早くレーニス様の嫁ぎ先を決めるとは思ってもおりませんでした」

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