クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
 三日後。約束通りティメルが迎えにきた。見た目は豪華ではない馬車。いかにも、という馬車であると、金目のものを狙った盗賊たちに狙われてしまうから。

「レーニス様、お迎えにあがりました」

 今日もティメルは穏やかで優しい笑顔を浮かべていた。レーニスにとって、このような笑顔を向けられたのは、聖女候補を解かれてから初めてかも知れない。

「レーニス。寂しくなるわ」

 ロイスのそれがわざとらしく見えたけれど、レーニスはぎゅっとロイスを抱きしめた。

「伯父様、叔母様、お兄さま。聖女候補を解かれたにも関わらず、このように良くしていただいたこと、感謝しております」

 うん、うん、と大げさにクエバは首を縦に振っている。

「たまには、遊びに来てちょうだいね」

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