クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
今生の別れのような挨拶を終えると、レーニスはティメルにエスコートされてその馬車へと乗った。本来であればフォッセ家から侍女がついてくるものなのだが、この屋敷に十数日間しかいなかった彼女についてくるような侍女はいない。
レーニスの斜め向かいにティメルが座っている。他に一台の馬車には、彼女とティメルの護衛と称する騎士たちが乗っている。少数精鋭、と言えるような数だ。
「あの、オーサー様」
レーニスはこのなんとも言えない空気感に堪え切れず、口を開いた。するとティメルは目を見開いてレーニスを見た。
「レーニス様、私のことはどうかティメルとお呼びください」
「あの、ティメル様」
「様はいりません。あなたはデーセオ様の妻となる方なのですから」
「はい……」
とレーニスは返事をしたものの、このティメルという男はレーニスのことを『妻』と表現した。
レーニスの斜め向かいにティメルが座っている。他に一台の馬車には、彼女とティメルの護衛と称する騎士たちが乗っている。少数精鋭、と言えるような数だ。
「あの、オーサー様」
レーニスはこのなんとも言えない空気感に堪え切れず、口を開いた。するとティメルは目を見開いてレーニスを見た。
「レーニス様、私のことはどうかティメルとお呼びください」
「あの、ティメル様」
「様はいりません。あなたはデーセオ様の妻となる方なのですから」
「はい……」
とレーニスは返事をしたものの、このティメルという男はレーニスのことを『妻』と表現した。