クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「レーニス。もう、聖女候補でないのなら、さっさとこの部屋を出ていってちょうだい」
「ラーナ……」
「それに、聖女候補でもないただの一般人のくせに、気安く私の名前を呼ばないでくれる? あなたがいなくなったら、私がこの部屋を使うんだからね。本当に、レーニスのくせに、私よりいい部屋を使っているなんて、生意気なのよ。慈悲深いラーナ様だから、別に今すぐ出ていけとは言わないわ。明日になったら、さっさと出ていくのよ。私、明日の朝から荷物を運ぶんだからね」
両手を腰に当てたラーナは、器用にその肘で乱暴に扉を閉めて出て行った。
レーニスがわりといい部屋を使うことができていたのは、聖女様に最も近いと言われていた聖女候補だったからだ。
そのレーニスが聖なる力を失ったとなると、下から順に繰り上がってくる。それをあからさまに狙っているのがラーナという聖女候補。今まではレーニス、レーニスと慕ってくれていたのに、聖なる力を失い、聖女候補を解かれた途端、あの態度。恐らく今後は、どの聖女候補もレーニスにはあのような態度をとるのだろう。蔑むような視線をレーニスに向けてくるのだろう。
「ラーナ……」
「それに、聖女候補でもないただの一般人のくせに、気安く私の名前を呼ばないでくれる? あなたがいなくなったら、私がこの部屋を使うんだからね。本当に、レーニスのくせに、私よりいい部屋を使っているなんて、生意気なのよ。慈悲深いラーナ様だから、別に今すぐ出ていけとは言わないわ。明日になったら、さっさと出ていくのよ。私、明日の朝から荷物を運ぶんだからね」
両手を腰に当てたラーナは、器用にその肘で乱暴に扉を閉めて出て行った。
レーニスがわりといい部屋を使うことができていたのは、聖女様に最も近いと言われていた聖女候補だったからだ。
そのレーニスが聖なる力を失ったとなると、下から順に繰り上がってくる。それをあからさまに狙っているのがラーナという聖女候補。今まではレーニス、レーニスと慕ってくれていたのに、聖なる力を失い、聖女候補を解かれた途端、あの態度。恐らく今後は、どの聖女候補もレーニスにはあのような態度をとるのだろう。蔑むような視線をレーニスに向けてくるのだろう。