クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
「まだ、俺に礼を言うのは早いのではないか? もしかしたら俺も禿エロ親父かもしれないぞ?」
 このレーニスという娘が面白くて、デーセオもついそんなことを口にしてしまった。

「ですが、少なくとも御髪は豊富なようでいらっしゃいますので」
 それは、それで顔を隠しているからだろう。

「だが、被りものかもしれないぞ?」

「そのときは、旦那様のお顔が拝見できると思って、楽しみにしております」

 やられたな、とデーセオは心の中で呟いた。彼女の失われた聖なる力が目当てで彼女をあの禿エロ親父から横取りしたのに、このレーニスという女性に興味が沸いてきた。だが、だからこそこの顔を彼女には晒したくない。

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