クビになった聖女ですが、嫁ぎ先で真の力が目覚めたので第二の人生は幸せです なぜか辺境竜騎士様の溺愛が止まらないのですが!
☆☆☆
暗闇とは人を大胆にさせるらしい。この闇の中であれば、この醜い顔を彼女に見られる心配もないだろう、とそう思っていた。
彼女の寝顔をもう少し見ていたいと思った。だが、外が明るくなりつつある。そうなる前に、デーセオは彼女の前から立ち去りたかった。なぜかわからないが、この顔を見られたくないのだ。そっと寝台から抜け出したデーセオは、身支度を整えると、そっと部屋から立ち去った。
レーニスが目を覚ますと、既に彼の姿は無かった。彼の抜け殻に触れると、まだ少し温かかった。自分がもう少し早く目を覚ませば、夫となった彼と話をする時間がもてたかもしれないのに、とさえ思う。それに今日から、この辺境領地の北側にある砦の見張りに行くと言っていたような気がする。隣国とのいざこざもあり、そちらの方へ足を伸ばす必要がある、ということを。
少し重く感じる身体ではあるが、レーニスはゆっくりと寝台よりおりるとサンドラを呼んだ。この領主の妻となった以上、みすぼらしい恰好はできない。
暗闇とは人を大胆にさせるらしい。この闇の中であれば、この醜い顔を彼女に見られる心配もないだろう、とそう思っていた。
彼女の寝顔をもう少し見ていたいと思った。だが、外が明るくなりつつある。そうなる前に、デーセオは彼女の前から立ち去りたかった。なぜかわからないが、この顔を見られたくないのだ。そっと寝台から抜け出したデーセオは、身支度を整えると、そっと部屋から立ち去った。
レーニスが目を覚ますと、既に彼の姿は無かった。彼の抜け殻に触れると、まだ少し温かかった。自分がもう少し早く目を覚ませば、夫となった彼と話をする時間がもてたかもしれないのに、とさえ思う。それに今日から、この辺境領地の北側にある砦の見張りに行くと言っていたような気がする。隣国とのいざこざもあり、そちらの方へ足を伸ばす必要がある、ということを。
少し重く感じる身体ではあるが、レーニスはゆっくりと寝台よりおりるとサンドラを呼んだ。この領主の妻となった以上、みすぼらしい恰好はできない。