◆ラヴェンダー・ジュエルの瞳
「ラっ、ラヴェル! ラヴェル!!」
あたしは気付かぬ内にあいつの名を叫んでいた。その口の動きに気付いたのか、ラヴェルも数回唇を開いたけれど、残念ながら何も聞こえない。あーもうっ、このカプセルって防音なの!?
「ラヴェルっ!!」
やがてラヴェルはカプセルに追い付き、掌と足先をトンと着いた。いつものうっすらとした微笑は変わらない。その肩にはピータンがしがみ付いていてホッと胸を撫で下ろす。あたしを見下ろすようにカプセル上部に留まったラヴェルの右掌が、次第に黄金色の輝きを帯び、触れられたガラス面が急に溶け出した!
「ど……いう……こと……!?」
彼の掌サイズに開かれた空間に、あいつは逆の手で掴まえたピータンを、何とか中へ挿し込んだ。両手で受け取ったあたしに、徐々に閉じようとするその穴から「ユーシィ、必ず助け出すから」──あいつの声も微かに挿し込まれた。
「ラヴェルっ──!!」
あたしの声は届いただろうか?
どうしてそんなに儚そうな笑顔をするの?
あいつはカプセルを足場にと力を込めて、飛行船へ向けて飛び去った──。
★ ★ ★
あたしは気付かぬ内にあいつの名を叫んでいた。その口の動きに気付いたのか、ラヴェルも数回唇を開いたけれど、残念ながら何も聞こえない。あーもうっ、このカプセルって防音なの!?
「ラヴェルっ!!」
やがてラヴェルはカプセルに追い付き、掌と足先をトンと着いた。いつものうっすらとした微笑は変わらない。その肩にはピータンがしがみ付いていてホッと胸を撫で下ろす。あたしを見下ろすようにカプセル上部に留まったラヴェルの右掌が、次第に黄金色の輝きを帯び、触れられたガラス面が急に溶け出した!
「ど……いう……こと……!?」
彼の掌サイズに開かれた空間に、あいつは逆の手で掴まえたピータンを、何とか中へ挿し込んだ。両手で受け取ったあたしに、徐々に閉じようとするその穴から「ユーシィ、必ず助け出すから」──あいつの声も微かに挿し込まれた。
「ラヴェルっ──!!」
あたしの声は届いただろうか?
どうしてそんなに儚そうな笑顔をするの?
あいつはカプセルを足場にと力を込めて、飛行船へ向けて飛び去った──。
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