◆ラヴェンダー・ジュエルの瞳
『ウェスティがジュエルの継承者でないことが発覚した時点で、僕の魔法は解かれました。ですが王に再び子を得る気持ちがないことを悟り、先を危惧した僕は、もはや候補に選ばれぬよう自ら時間を止めたのです。まぁ……四日中の三日を止めるのが限界のようですし、その間は肉体を動かせない身体になってしまいましたが』
「ツパイは魔法が使えるの? それにだからと言って、どうして止める必要があるの??」

 新たな謎が脳内を巡り出した。ウェスティの花嫁探しはその時点で止まったのだから、もうツパイは自由な筈なのに。

『ラヴェンダー・ジュエルの魔法を掛けられた生ける者は、多かれ少なかれその影響を受けるのです。僕には自ら時間を止められる能力が備わりました。ピータンもアイガーも今回の旅で、ラヴェルよりジュエルの力を与えられています。ですから彼らは僕達と、意思の疎通を可能とする能力を持ち得たのです。おそらくテイルにも、なんらかの影響は出ているでしょう』
「う~ん、そ、そうなんだ……」


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