◆ラヴェンダー・ジュエルの瞳
飛行船は東南へ向かっていた。今日一日はツパイの貴重な時間を分けてもらい、自動操縦の全てを伝授いただいた。実際この技術はあたしの国にはなくて、ヴェルで独自に発展したのだそうだ。試験に出ないのは助かるけれど、こんな素晴らしい設備が広められないことに、少し残念な気持ちもした。
その間にタラは、リビングの床に積み重ねて置いた衣服や化粧道具を、空けてもらったチェストに収納し直していた。そしてラヴェルは……何処に居たんだろう? お昼と夕食の前後にはキッチンで見かけたけれど、それ以外は姿を現さなかった。操船室はあたし達が占拠していたし、一体何をしていたんだか?
ちなみにラヴェルとツパイのカプセルは落下した物を回収し、あたしのカプセルは探す間がなかったそうで、格納庫から予備のカプセルと新品のブランケットを設えてくれたそうだ。そんな新しい匂いのするお布団に、この夜もくるまってはみたものの、どうしても気持ちが落ち着かなかった。仕方なく暗闇の中リビングに戻り、隣の扉をノックしてみる。すぐにそれは開かれ、寝着を纏ったラヴェルが押し出されるように現れた。
「ね……ちょっと付き合ってよ」
あたしはそんな言葉を掛けて、あいつをチェストに誘った──。
その間にタラは、リビングの床に積み重ねて置いた衣服や化粧道具を、空けてもらったチェストに収納し直していた。そしてラヴェルは……何処に居たんだろう? お昼と夕食の前後にはキッチンで見かけたけれど、それ以外は姿を現さなかった。操船室はあたし達が占拠していたし、一体何をしていたんだか?
ちなみにラヴェルとツパイのカプセルは落下した物を回収し、あたしのカプセルは探す間がなかったそうで、格納庫から予備のカプセルと新品のブランケットを設えてくれたそうだ。そんな新しい匂いのするお布団に、この夜もくるまってはみたものの、どうしても気持ちが落ち着かなかった。仕方なく暗闇の中リビングに戻り、隣の扉をノックしてみる。すぐにそれは開かれ、寝着を纏ったラヴェルが押し出されるように現れた。
「ね……ちょっと付き合ってよ」
あたしはそんな言葉を掛けて、あいつをチェストに誘った──。