◆ラヴェンダー・ジュエルの瞳
◆第七章◆消えた理由を、どうやって!?
[57]夢間
翌朝。東の窓から射し込む光と、南の窓から聞こえる金属音に目を覚ました。もう……朝なんだ。昨日は沢山歩いた所為か随分良く眠れた気がした。
ベッドから降り、窓辺に立つ。朝からもう暑そうな陽差しが照りつけている。そんな左手の窓から右へ視線を移し、ずっと先を見やれば、激しい稽古に打ち込むタラとラヴェルが居た。
「……」
何か……凄い。
二人の気迫に押されて、一人きりの室内でも声すら出てこなかった。寝着のまま部屋を出て、廊下を回りリビングへ向かう。大きな南の窓はまるで、決闘のシーンを映す巨大スクリーンのようだった。
ラヴェルの持つのはタラが言った『サーベル系のロングソード』なのだろう。幅広の片刃で振り被り切りつけるタイプだ。対してタラの剣は細身で長く、真っ正面に突いて相手を捉える──多分『レイピア』と呼ばれるものだろう。武器には詳しくないけれど、長身で手足の長いタラならば、相手の懐に入れずとも一撃を喰らわせられそうだ。反面ラヴェルはウェスティやタラに比べて小柄なことを生かし、接近戦での攻撃に適した剣を選んでいるように思われた。
……と、こんな格好で観戦してる場合じゃないんだった。
あたしは二人の様子に目を奪われながらも、もう一度自分の部屋に戻り支度を整え、リビング西隅のキッチンにて食材を物色し始めた。あの夕食の後にタラが買い足してくれたので、朝から豪勢な食事が作れそうだ。勝手の分からないキッチンなので少々戸惑いながら、それでも二十分程で朝餉の準備が出来上がった。
ベッドから降り、窓辺に立つ。朝からもう暑そうな陽差しが照りつけている。そんな左手の窓から右へ視線を移し、ずっと先を見やれば、激しい稽古に打ち込むタラとラヴェルが居た。
「……」
何か……凄い。
二人の気迫に押されて、一人きりの室内でも声すら出てこなかった。寝着のまま部屋を出て、廊下を回りリビングへ向かう。大きな南の窓はまるで、決闘のシーンを映す巨大スクリーンのようだった。
ラヴェルの持つのはタラが言った『サーベル系のロングソード』なのだろう。幅広の片刃で振り被り切りつけるタイプだ。対してタラの剣は細身で長く、真っ正面に突いて相手を捉える──多分『レイピア』と呼ばれるものだろう。武器には詳しくないけれど、長身で手足の長いタラならば、相手の懐に入れずとも一撃を喰らわせられそうだ。反面ラヴェルはウェスティやタラに比べて小柄なことを生かし、接近戦での攻撃に適した剣を選んでいるように思われた。
……と、こんな格好で観戦してる場合じゃないんだった。
あたしは二人の様子に目を奪われながらも、もう一度自分の部屋に戻り支度を整え、リビング西隅のキッチンにて食材を物色し始めた。あの夕食の後にタラが買い足してくれたので、朝から豪勢な食事が作れそうだ。勝手の分からないキッチンなので少々戸惑いながら、それでも二十分程で朝餉の準備が出来上がった。