◆ラヴェンダー・ジュエルの瞳
[75]解錠
「ど……いう、こと……?」
『鍵の付いた祈り』──その鍵を、あたしが開ける──?
「ラヴェルが止められないと言ったのは本当なのです。この鍵付きの祈りは自身では解除出来ません。ですが……ジュエル継承者が愛し、そしてジュエル継承者を愛する者であれば……その鍵を開くことが出来ます」
それって──!!
「つまりラウルの好きなユスリハちゃんが、ラウルのことを好きな今なら……この祈りを止められるってことネ?」
「はい」
絶句したあたしの目の前の、タラの質問にツパイが即答した。
だから……だからラヴェルは、あたしが彼を好きにならないよう祈ったの!?
「鍵は通常ジュエル継承者の名前です。ですから──お願いします、ユスリハ」
「う、うん」
とにかくもう時間がない。彼の名前──どっちだろう?
「ラウル=ヴェル=デリテリート!」
ジュエルは反応しない。
「じゃ、じゃあ、ラウル=ヴェル=アイフェンマイア!?」
やはり何も変わらなかった。
「ツ、ツパイ~!!」
「ふ……む。どうもひねりが加えられているようですね……」
ツパイの焦燥の横顔が、ゆっくり首を傾げた。
どうしよう……ラヴェルの呼吸が益々浅く小刻みになっていく──ラヴェル──ラヴェル!?
『鍵の付いた祈り』──その鍵を、あたしが開ける──?
「ラヴェルが止められないと言ったのは本当なのです。この鍵付きの祈りは自身では解除出来ません。ですが……ジュエル継承者が愛し、そしてジュエル継承者を愛する者であれば……その鍵を開くことが出来ます」
それって──!!
「つまりラウルの好きなユスリハちゃんが、ラウルのことを好きな今なら……この祈りを止められるってことネ?」
「はい」
絶句したあたしの目の前の、タラの質問にツパイが即答した。
だから……だからラヴェルは、あたしが彼を好きにならないよう祈ったの!?
「鍵は通常ジュエル継承者の名前です。ですから──お願いします、ユスリハ」
「う、うん」
とにかくもう時間がない。彼の名前──どっちだろう?
「ラウル=ヴェル=デリテリート!」
ジュエルは反応しない。
「じゃ、じゃあ、ラウル=ヴェル=アイフェンマイア!?」
やはり何も変わらなかった。
「ツ、ツパイ~!!」
「ふ……む。どうもひねりが加えられているようですね……」
ツパイの焦燥の横顔が、ゆっくり首を傾げた。
どうしよう……ラヴェルの呼吸が益々浅く小刻みになっていく──ラヴェル──ラヴェル!?