◆ラヴェンダー・ジュエルの瞳
最後の訪問先はテイルさんの町だった。ラヴェルの約束を果たさなければならない。あの時の子供達は、時を置かずして戻ってきたあたし達を歓迎し、遊覧飛行に瞳を輝かせた。ただ、船尾に近い壁の右下カプセルには、あの約束したお兄さんが眠っていることなど知る由もなく──。
再会したテイルさんは、別れた時と同じようにはつらつとしていた。けれどジュエルの魔法の『跡』が影響して、彼女も全てを知ったらしかった。実際テイルさんの亡くなったご主人がタラと同じ【彩りの民】で、テイルさんは王国ヴェルのことを一切知らなかった。だからこそラヴェルのあの髪色を見ても、何も驚かなかったのだろう。彼女に嘘をついたこと、あたし達はそれを心から謝ったが、全てを受け入れたテイルさんにはもう、捻じ曲げられた過去の経緯など、気にする弱さは有り得なかった。「自分がレイさんの分までしっかり生きる」──それこそが彼への供養だと、心に決めて強く生き抜くことを誓ってくれた。
あたしと出逢う前にラヴェルが癒した遺された人々も、同じく亡くした家族を心に宿して、きっと自分の力で立ち続けているに違いない。
再会したテイルさんは、別れた時と同じようにはつらつとしていた。けれどジュエルの魔法の『跡』が影響して、彼女も全てを知ったらしかった。実際テイルさんの亡くなったご主人がタラと同じ【彩りの民】で、テイルさんは王国ヴェルのことを一切知らなかった。だからこそラヴェルのあの髪色を見ても、何も驚かなかったのだろう。彼女に嘘をついたこと、あたし達はそれを心から謝ったが、全てを受け入れたテイルさんにはもう、捻じ曲げられた過去の経緯など、気にする弱さは有り得なかった。「自分がレイさんの分までしっかり生きる」──それこそが彼への供養だと、心に決めて強く生き抜くことを誓ってくれた。
あたしと出逢う前にラヴェルが癒した遺された人々も、同じく亡くした家族を心に宿して、きっと自分の力で立ち続けているに違いない。