◆ラヴェンダー・ジュエルの瞳
「義眼というのは当たり。でもそれは右眼じゃないから」
「ええ?」
そうして……えっ!? ちょっ……! うわっ!!
「ほらね」
左眼を抉り出して、あたしの手を取り、掌に……って、いやぁ~! な、生温かい……!!
「でもおかしいなぁ、初対面の人間に見破られたことはないのだけど」
掴まれた手首のこちらはフルフルと震えたまま、あたしの余りの驚愕に気付いているのかいないのか、ラヴェルは逆の手を自分の顎に置いて首をひねっていた。んなこといいから、は、早くそれを元に戻してっ!!
やがて昨夜同様に「夜行性でばかりではない」ピータンが、あたしの掌に舞い降りる。また噛まれるのではないかと更に全身が震えたけれど、『彼女』は意外にも大人しい表情で、まるでラヴェルの義眼を愛おしそうに……抱き締めた!
「なかなか綺麗だと思わない? これ」
やっとあたしの右手を解放し、ピータンから優しく返された義眼を摘まんで光に翳したラヴェルは、当たり前だけど左の瞼を閉じたまま、ウィンクするように右眼で見詰めた。確かに……瞳の部分は精巧な黒曜石のようだ、けど……何なの? その愛情溢れる眼差しは??
「自分の祖父が作ったものなんだ。祖父は腕の良い義眼師だった」
「え……?」
あたしがようやく声を発したからなのか、ラヴェルは柔らかそうな布で軽く拭き上げ、手で覆い隠すように義眼を戻し、そして両の眼であたしと相対した。
「ええ?」
そうして……えっ!? ちょっ……! うわっ!!
「ほらね」
左眼を抉り出して、あたしの手を取り、掌に……って、いやぁ~! な、生温かい……!!
「でもおかしいなぁ、初対面の人間に見破られたことはないのだけど」
掴まれた手首のこちらはフルフルと震えたまま、あたしの余りの驚愕に気付いているのかいないのか、ラヴェルは逆の手を自分の顎に置いて首をひねっていた。んなこといいから、は、早くそれを元に戻してっ!!
やがて昨夜同様に「夜行性でばかりではない」ピータンが、あたしの掌に舞い降りる。また噛まれるのではないかと更に全身が震えたけれど、『彼女』は意外にも大人しい表情で、まるでラヴェルの義眼を愛おしそうに……抱き締めた!
「なかなか綺麗だと思わない? これ」
やっとあたしの右手を解放し、ピータンから優しく返された義眼を摘まんで光に翳したラヴェルは、当たり前だけど左の瞼を閉じたまま、ウィンクするように右眼で見詰めた。確かに……瞳の部分は精巧な黒曜石のようだ、けど……何なの? その愛情溢れる眼差しは??
「自分の祖父が作ったものなんだ。祖父は腕の良い義眼師だった」
「え……?」
あたしがようやく声を発したからなのか、ラヴェルは柔らかそうな布で軽く拭き上げ、手で覆い隠すように義眼を戻し、そして両の眼であたしと相対した。