◆ラヴェンダー・ジュエルの瞳
[17]野望
ダイニングに降り注ぐ淡い陽差しの中で、あたしはお茶を淹れながら、その言葉に思わず手を止めてしまった。
「大変心苦しいのですが……ユスリハ、今は何もお答え出来ません」
ツパイはあたしの質問を、二三聞いた時点でそう断言したのだ。
「ど、どうして? 何で隠す必要があるのよ!」
まだ半分しか注いでいないカップを既に手に取り、薄い唇へ寄せるツパイ。一口飲んで一息つき、見えない瞳をあたしに向けた。
「現状僕にもラヴェルの考えが見えないからです。彼の方針が伝えられ、ユスリハにお話しすべきだと納得がいけば伝えましょう」
「……??」
もう一言目で半分諦めていたけれど、ツパイの二の句にきっぱり諦めがついた。きっとダメだ……ツパイも教えてくれない。でもラヴェルの考えって何なのよ! ツパイはラヴェルの召使いなの!?
「ですが……これだけは言えますよ」
大袈裟な深い溜息を吐いて、疲れたように目を閉じるあたしの横顔へ、それから驚きの言葉が投げられた。
「ラヴェルは……貴女を必ず守りきるでしょう」
「──え?」
聞くや否や急いでそちらへ振り向いてみる。その視界にはニッコリ微笑むツパイが居た。
「大変心苦しいのですが……ユスリハ、今は何もお答え出来ません」
ツパイはあたしの質問を、二三聞いた時点でそう断言したのだ。
「ど、どうして? 何で隠す必要があるのよ!」
まだ半分しか注いでいないカップを既に手に取り、薄い唇へ寄せるツパイ。一口飲んで一息つき、見えない瞳をあたしに向けた。
「現状僕にもラヴェルの考えが見えないからです。彼の方針が伝えられ、ユスリハにお話しすべきだと納得がいけば伝えましょう」
「……??」
もう一言目で半分諦めていたけれど、ツパイの二の句にきっぱり諦めがついた。きっとダメだ……ツパイも教えてくれない。でもラヴェルの考えって何なのよ! ツパイはラヴェルの召使いなの!?
「ですが……これだけは言えますよ」
大袈裟な深い溜息を吐いて、疲れたように目を閉じるあたしの横顔へ、それから驚きの言葉が投げられた。
「ラヴェルは……貴女を必ず守りきるでしょう」
「──え?」
聞くや否や急いでそちらへ振り向いてみる。その視界にはニッコリ微笑むツパイが居た。