◆ラヴェンダー・ジュエルの瞳
が──その時。
家畜小屋の奥から犬の鳴き声が徐々に近付いてきたのだ。って、犬って、アイガーしか居ないわよね?
「ア、アイガー!?」
閉じられた扉を内側からガリガリと擦られたので、あたしが開くや白黒の影に飛びかかられた。すっかり元気になって真上に跨った姿は、あの時のテイルさんの変貌振りに似ていたけれど、何かを訴えかけるように吠えるのを止めないことには少し違和感があった。
「アイガー、ラヴェルに何か遭ったのですね?」
「えっ?」
すぐ横で傍観していたツパイが呟いて、それに反応したアイガーが振り向き一吠えする。ツパイはキッと扉の向こうへ顔を寄せた。誘導するように走るアイガーの後ろを二人で急いで追いかけた。
先刻までアイガーの横になっていた突き当たりには、先程までのアイガーと同様、ぐったりと倒れ伏したラヴェルが居た──。
■アイガーのモデルはボーダーコリーです。
■分かり辛いですが、以下が名前の由来となりましたスイスの山、左端がアイガー、右端がツパイの名前の一部、ユングフラウです。
家畜小屋の奥から犬の鳴き声が徐々に近付いてきたのだ。って、犬って、アイガーしか居ないわよね?
「ア、アイガー!?」
閉じられた扉を内側からガリガリと擦られたので、あたしが開くや白黒の影に飛びかかられた。すっかり元気になって真上に跨った姿は、あの時のテイルさんの変貌振りに似ていたけれど、何かを訴えかけるように吠えるのを止めないことには少し違和感があった。
「アイガー、ラヴェルに何か遭ったのですね?」
「えっ?」
すぐ横で傍観していたツパイが呟いて、それに反応したアイガーが振り向き一吠えする。ツパイはキッと扉の向こうへ顔を寄せた。誘導するように走るアイガーの後ろを二人で急いで追いかけた。
先刻までアイガーの横になっていた突き当たりには、先程までのアイガーと同様、ぐったりと倒れ伏したラヴェルが居た──。
■アイガーのモデルはボーダーコリーです。
■分かり辛いですが、以下が名前の由来となりましたスイスの山、左端がアイガー、右端がツパイの名前の一部、ユングフラウです。