◆ラヴェンダー・ジュエルの瞳
「な、何よ! あんたは散々あたしを触ってきたくせに! どうしてあたしが触っちゃいけないのよっ」
ラヴェルの背後でピータンが目を覚ましたので、あたしは本能的にその手を振り払った。
「家畜小屋で倒れてたんだ……そのまま寝かされたなら、自分の髪はきっと汚れてる」
ピータンが肩に乗り、あいつの頤に頬ずりをする。ラヴェルはそれをくすぐったそうに瞳を細め、手持ち無沙汰になった手でピータンをそっと撫ぜた。
嘘……こいつは嘘だらけだ。
本当は苦しみが詰まった髪の先を、穢らわしいのだと言ったくせに。そんなに自分を陥れて、あんたは一体何をしようって言うのよ!
「……ロガールやツパから聞いちゃったみたいだね」
「……え?」
再び天井を真正面に捉え、ラヴェルは深い溜息を吐いた。
「ユーシィはすぐ顔に出ちゃうから。自分がどうしてこうなったのか……聞いたんでしょ?」
「……」
その図星に反論出来る何物もなく。あたしは口元を歪ませて黙りこくってしまった。それでも……やがて何とか二の句を継いだ。
「もう……やめて。お願い──」
「え……?」
今度はラヴェルが問い掛ける番。
「あんた、あたしを守るって言ったじゃない。そんなんであたしをどう守れるって言えるの? 本気で守るつもりがあるなら──ちゃんとしててよ! あ、あたしはお礼にご飯作ることくらいしか出来ないけど!!」
「ユーシィ……」
向けられた嬉しそうな表情に思わず顔をそむけてしまう。あたしったら……まったく何を口走ってるんだか!
ラヴェルの背後でピータンが目を覚ましたので、あたしは本能的にその手を振り払った。
「家畜小屋で倒れてたんだ……そのまま寝かされたなら、自分の髪はきっと汚れてる」
ピータンが肩に乗り、あいつの頤に頬ずりをする。ラヴェルはそれをくすぐったそうに瞳を細め、手持ち無沙汰になった手でピータンをそっと撫ぜた。
嘘……こいつは嘘だらけだ。
本当は苦しみが詰まった髪の先を、穢らわしいのだと言ったくせに。そんなに自分を陥れて、あんたは一体何をしようって言うのよ!
「……ロガールやツパから聞いちゃったみたいだね」
「……え?」
再び天井を真正面に捉え、ラヴェルは深い溜息を吐いた。
「ユーシィはすぐ顔に出ちゃうから。自分がどうしてこうなったのか……聞いたんでしょ?」
「……」
その図星に反論出来る何物もなく。あたしは口元を歪ませて黙りこくってしまった。それでも……やがて何とか二の句を継いだ。
「もう……やめて。お願い──」
「え……?」
今度はラヴェルが問い掛ける番。
「あんた、あたしを守るって言ったじゃない。そんなんであたしをどう守れるって言えるの? 本気で守るつもりがあるなら──ちゃんとしててよ! あ、あたしはお礼にご飯作ることくらいしか出来ないけど!!」
「ユーシィ……」
向けられた嬉しそうな表情に思わず顔をそむけてしまう。あたしったら……まったく何を口走ってるんだか!