◆ラヴェンダー・ジュエルの瞳
「主人? って……あんた?」
「ううん。ツパだよ」
「え!」
そ、そうなんだ……? なんでだろ?? あ、もしかして……ラヴェルが倒れた時、一番にアイガーの気持ちを分かってくれたから?
「自分にはもうピータンが居るしね」
そんな嬉しい言葉を投げ掛けられたからか、ふわふわの飛膜をパタパタ盛り上がるピータンの興奮は止まらなかった。もしかして……この子も誰か大切な人を失って、ラヴェルに救われたのだろうか?
「ラヴェル、余り無理はするなよ。ユングフラウも言っただろうが……君に責任はない」
ユングフラウ──ツパイのことだ。ロガールさんもやっぱりラヴェルの行為の意味を知っている。
最後にあいつに掛けたロガールさんの声は、ピンと空気を張り詰めさせた。それでもラヴェルはいつもの淡い微笑を崩さなかった。
「ありがとうございます、ロガール。心には留めさせてもらいます」
軽く握手を交わして船に乗り込む。今一度お礼を述べたあたしも、アイガーと共に奥へ続いた。
「必ず! 必ず全員で戻ってくるんだぞ!!」
手を振るロガールさんの白髭の口元が、そう言ったのを背中に聞きながら──。
◆第三章◆ウシ、ウマ、ヒツジ・・・ヤギにイヌ!? ──完──
「ううん。ツパだよ」
「え!」
そ、そうなんだ……? なんでだろ?? あ、もしかして……ラヴェルが倒れた時、一番にアイガーの気持ちを分かってくれたから?
「自分にはもうピータンが居るしね」
そんな嬉しい言葉を投げ掛けられたからか、ふわふわの飛膜をパタパタ盛り上がるピータンの興奮は止まらなかった。もしかして……この子も誰か大切な人を失って、ラヴェルに救われたのだろうか?
「ラヴェル、余り無理はするなよ。ユングフラウも言っただろうが……君に責任はない」
ユングフラウ──ツパイのことだ。ロガールさんもやっぱりラヴェルの行為の意味を知っている。
最後にあいつに掛けたロガールさんの声は、ピンと空気を張り詰めさせた。それでもラヴェルはいつもの淡い微笑を崩さなかった。
「ありがとうございます、ロガール。心には留めさせてもらいます」
軽く握手を交わして船に乗り込む。今一度お礼を述べたあたしも、アイガーと共に奥へ続いた。
「必ず! 必ず全員で戻ってくるんだぞ!!」
手を振るロガールさんの白髭の口元が、そう言ったのを背中に聞きながら──。
◆第三章◆ウシ、ウマ、ヒツジ・・・ヤギにイヌ!? ──完──