棗くんからは逃げられない
あの性格でよく人と揉めてきたえいちゃんだ

棗くんも揉めたら大変っ…!


「大丈夫です、揉めません」

ぽふっと、私の頭に手を置くと、えいちゃんに小さく頭を下げた


「お願いします」

「おう、実乃梨も早く乗れ」


追いかけて、車に乗り込む


ふわっとえいちゃんの香水の香りがする

ふかふかの座席にぽすっと座り込み、身を乗り出す


「えいちゃん、曲かけて」

「断る」

「っな!?」

「嘘」


真顔でそう言ってから、スマホを渡してきた
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