棗くんからは逃げられない
「あ、はいありがとうございます。」

「おー」


棗くんが降りていき、再び車が動き出す


振り返り、こちらを向いていた棗くんに小さく手を振ると、振りかえしてくれた



「実乃梨、」

「ん?」

えいちゃんが鏡越しに視線を向けてきた


「棗と、付き合ってんの?」

「へっ……なんっ…、…で?」

「わかりやす」


吐き捨てるように言ったえいちゃんに眉を寄せる


怒ってる…?

「怒ってない、呆れてる」


呆れ、?
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