棗くんからは逃げられない
「ほら、行ってこい」

背中を押され、蹈鞴を踏んで棗くんのところへ


「ぁっ!実乃梨先輩」

棗くんの笑顔につい、心臓がはねる

「お疲れ様です」


「お疲れ様です!」

棗くんにドリンクを渡す


棗くんは、いつもつけているピアスも全部はずしているから

いつもと全然雰囲気が違う


なんでいつもピアスつけてるのかな?


以前、千切れてしまった耳はくっついていてほっとする


「………」

「どうしました?」

じっと見つめていたのをバレてしまった


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