棗くんからは逃げられない

俺の、だから



「…………」

「あれ?嬉しくなかったですか?」

「ぅっ…嬉しい!
嬉しすぎて声が出ないっ…」

「やった…」


興奮のあまり伊織くんの腕をぶんぶんと振る私に目を細める伊織くん




「絶対喜ぶな、と思ったんです」

「うんっ…ありがとう!」


その言葉では伝えきれないほどのお礼を伝えて一緒に足を踏み入れる


「可愛いっ…!
あ、こっちもっ!」

あっちこっちに歩き回る私に伊織くんは黙ってついてきてくれる


「伊織くん」

ふと思い至って振り返る
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