棗くんからは逃げられない
〈伊織side〉


「マジで、反則だろ…」

風呂上がり、少し濡れた髪のままベッドに寝転がる



今日、送ろうとしたときに実乃梨先輩が言った言葉が耳について離れない


──大好きです、伊織くん

耳を赤くして上目遣い

何より、照れた笑顔たまんない


「はぁー、くそ」

髪をクシャと乱して勢いよく起き上がる


「ん?」

ふと、チャットの着信があったことに気がついた


「マジでっ……」

それを開き、すぐに頭を抱える

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