棗くんからは逃げられない
「…………ぁのっ…」

一瞬の気の緩みで頬をとらえられ、強引に目を合わせられる


自分からキスした時点でキャパはとっくに超えてるから離して欲しいのだが

伊織くんは私の顔をじっと見てくる


耐えられなくなり、きゅっと目をきつく閉じる


「ぅ…やぁっ…」

けど、下唇を指でなぞられ、目を見開いてしまう


「っ!!」

思ったより近くに伊織くんの顔があった


「ふ、仕返しの仕返しです」

「っん………ぅ…」


驚き、身じろぎする私の逃さないように、と後頭部に手が回ってきた

そして、引き寄せられ、唇が重なった
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